新潟日報「豊浦音頭を復活させたい!」             

新潟新発田市への合併で下火に…伝統の「豊浦音頭」復活させたい!旗振り役は地元公民館 児童や園児に伝授→運動会で披露、「地域の祭りにも」定着目指す  と報じた。

新潟日報 2024/06/25

 旧豊浦町時代の1997年に作られた豊浦音頭を復活させようと、新潟県新発田市の豊浦地区公民館が動き出した。同館が働きかけ、地元住民が豊浦小学校の児童たちに踊りを伝授。5月中旬に開かれた運動会で全校児童らが披露した。地区の保育園の催しでも踊ってもらうことになった。公民館では豊浦音頭を広く知ってもらい、地域の踊りとしての定着を目指す。

 豊浦小の運動会での披露は、運動会の最後を締めくくるプログラム。グラウンドには子どもたちと保護者ら約500人の大きな輪ができた。青空の下、軽やかな音楽に合わせ、親子で笑顔を交えながらの踊りを見せた。

 本番を前に、子どもたちは地元で踊りを教える女性(79)らの指導を受け、約2カ月にわたって練習を重ねてきた。

 女性は「これほど多くの人が踊るのは、最近はなかった。これでまた踊りが残ってくれるんじゃないか」と満足そう。6年生の児童(11)は「豊浦を盛り上げたいという歌詞だった。今度は僕の世代で広められたらいいな」と話した。

運動会で豊浦音頭を踊る児童と保護者=新発田市大伝

 豊浦音頭は観光PRの一環で作られた。一般公募で選ばれた新発田市の大越昭二さんが作詞をし、新発田市出身の作詞家たかたかしさんが大越さんの歌詞を補った。水野昭太郎さんが作曲。歌手の真咲(まさき)よう子さんが歌ったCDは当時の全約2700世帯に配られた。振り付けは、光月流家元で新潟市の光月千鳥さんが考案した。

 4番まであり、歌詞にはカリオンパークや月岡温泉の雪見酒、福島潟などの四季の情景が盛り込まれ「豊浦よいとこござらっしゃい」と締めくくっている。

運動会で豊浦音頭を踊る住民ら=新発田市大伝

 豊浦音頭ができた当初は、豊浦小に統合された四つの小学校の運動会でも踊られていたという。その後、町は2003年に新発田市と合併。時の経過とともに踊る人は少なくなり、近年では公民館主催の芸能祭などで一部の人が踊る程度だった。

 今後も豊浦小では、運動会で豊浦音頭を披露する予定。豊浦保育園の夏祭りでも踊ることが決まった。若い世代に地域の踊りを継承してもらい、地域愛を深めてもらう狙いがある。

 「みんなで踊ることで豊浦のつながりを再確認できるといいですね」。踊りを教える女性は豊浦音頭の復活に期待を寄せる。

 豊浦地区公民館の長谷川勲館長は「ゆくゆくは、豊浦の各地域で催される祭りなどで踊ってもらえるようになってほしい」と話した。